お酒のテイスティング能力を極めるための学校「インフィニット・酒スクール」

東京・馬喰町にあります「インフィニット・酒スクール」は、お酒のテイスティングと知識を学ぶ専門校です。今年で創業20周年を迎え、先日記念イベントが開催されましたのでその様子を紹介するとともに、「インフィニット・酒スクール」っていったいどういうことを学ぶ学校なの? ということを、実際に通っている生徒目線で簡単にご紹介しようと思います。

どういう学校なのか一口で言うと……

公式サイトには、以下のように説明があります

インフィニット・酒スクールは、日本酒やワイン、チーズを中心とする酒類と食の専門知識を提供する専門校です。科学的視点からの理論をテイスティングに紐づけしながら学んでいただきますので、テイスティング能力が格段にアップします。

https://www.infinite24.com/

「お酒のテイスティング能力を磨くことができる学校」と説明すると分かりやすいかと思います。

わたしは日本酒のコースに通っておりまして。きき酒師の資格をもっていますので、中級コースから始めて、上級コース、プロコースと学びまして、今は分析コースとして4年目になります。

「科学的視点」というのが大きなポイントで、人間の感覚とか、政治やお金が絡む要因──いわゆる大人の事情とかではなく、純粋に科学的な視点でお酒を読み解くのがスクールのテーマになっています。

さらに引用しますね。

当校の基本は「科学的な視点から日本酒を分析する力を養成する」ことをカリキュラムの中心としています。
よって、例えば以下の点などを明確にして、それを基礎に知識やテイステイング能力を積み上げて行きますのでご参考まで。

●日本酒は醸造酒であり、蒸留酒や混成酒と何が違うか。
→酵母が造り出す基本的な香りや味わいの成分を、醸造工程や蒸留工程で明確に分類できるようにします。
●フルーティーな香りや香ばしい香りは、どこから造り出され、どのような成分があるか。
→発酵経路をきちんと学び、そこから生み出される香りの成分を学びます。
●味わいを構成する成分にはどのような成分があり、味覚に与える影響はどこを見ればわかるか。
→「米を何故精米するか」「麹はなぜ必要なのか」「何故麹室があるのか」「酵母の特性を何故しらなければならないのか」などの根本を理解する事が必要です。

他のテイスティング学校と何が違うの? というと、つまり感覚や通説は参考にしませんよ、ということなんですね。
例えば米をこれだけ削ったら、こうなる、ということなどを理論で確かめ、テイスティングで確認する、ということになります。座学+実技のテイスティング、ですね。

日本で最も、日本酒を詳しく分析している学校であることは間違いなく、そんな科学的視点でのテイスティング能力のトレーニングができる専門校であるということなのです。

ご自分の舌を極めたい方には、お勧めのスクールです(笑)。

日本酒づくりの著名人が集結するトークバトル

さて、そんなわけで校長でありメイン講師である菅田ゆう先生は、毎年、業界の著名人を集めた講演会イベント等を実施されていました。コロナ禍で最近中断していたので数年ぶりの復活となります。

さらに2023年の今年は、ちょうどスクールが創業20周年を迎えられたということで、新政の佐藤さんなど豪華メンバーが集まり「トークバトル」イベントも行われました。これは日本酒業界の裏話などをざっくばらんに話すトークイベントです。

登壇者は仙禽・薄井一樹氏、新政・佐藤祐輔氏を始め、七本鎗・冨田泰伸氏と、日日・松本日出彦氏をゲストに迎えて四人の豪華メンバーです。

さらには、参加者との交流会もあり。わたしも現役生徒ですので参加してきました。

 

トークバトルでは、みなさん四蔵がコロナ禍の間どうしていたか、どんな変化があったかという話をされていましたね。
それぞれ農家さんとの契約があるので、作付けをどうするかの判断が難しかった等の話ですね。

あと日日醸造の松本さんは、2020年の12月に前の蔵を離れて、様々な蔵を回って武者修行をされていたと話していました。

コロナ禍があって、いろいろなことを見直すきっかけになったと。皆さん口をそろえておっしゃっていました。

交流会では、きき酒選手権もありました

 

インフィニット酒スクールの、分析コースで学んでいる方を中心に、きき酒選手権もありました。
実は出場された5人中、3人の方は同じ講座でお会いしている同級生?だったりします(笑)。

銘柄も何も分からないお酒を並べたものを、テイスティングして、アルコール度数やアミノ酸度などの数値を当てていくというものです。

インフィニット酒スクールならでは、ですよね。
何年も通っていると、普通に数値の想像がつくようになってくるんです。
わたしは能力がイマイチなので、なかなか当たらないんですけども。それでも、自分で味わって数値の判断をつける、ところまではできるようになりました。

感覚を育てるのは非常に難しいことです

 

個人的な感想として、わたしはこちらのスクールに通って4年目になるのですが、なかなか能力が高まらず、テイスティングがぜんぜん安定しません。味や香りを感じ取る能力を高める難しさを痛感しています。

カプというのは、カプロン酸エチルのことで。イソというのは、酢酸イソアミルのことです。
こうした香りをかぎ分ける能力が問われるわけですが、熟達できなければ、Aの香りを、違う機会に嗅いだ時にAと判定できない、といったようなことが起きるわけです。

文章や言葉を覚えるのは努力でなんとかなりますが、香りや味を覚えるのはマークシートで覚えるなどのワザが使えないわけなので、非常に難しいと言わざるをえません。

ただし、
科学的な視点、カプロン酸エチルの香りが強すぎる時は、セルレニン耐性の酵母を使っており、そうであるならば、グルコースが高くなって非常に甘くなる─日本酒度がマイナス側になる……。
と、いうような知識は、感覚が育たなくても知識として得ることができます。

感覚を育てることは、長い視点で取り組んでいくしかないかもしれませんが、
知識はお酒を理解することに本当に役に立ちます。

ということで「まとめ」です。

本当に正しいお酒の知識を身に着けるには……。
インフィニット酒スクールに通ってみられることをお勧めいたします。

お酒を味わうということに関しての、違う扉が開くことかと思います。

https://www.infinite24.com/

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かながわの商店街に関係するお仕事を20年やってきました。最近はきき酒師の資格を取り、日本酒ばかり飲んでいます。文章書いたりするのが得意ですが、最近は動画撮る方が楽しいです。