若い世代の観光客に照準を合わせた結果、町の和菓子店がほぼ一店だけになったのを目撃した話

先日のGWに、栃木県益子市の「益子陶器市」に出かけてきました。陶器で有名な益子市で春と秋の年2回開催している大きなイベントですね。陶器が好きで出かけたんですけども、こういった地方の大きなイベントに行ってみて、気がついたことがいくつかあったので。今日はその話をしようと思います。

陶器が死ぬほどたくさん売っているイベントに異様に人が集まります

このイベントは春はGW、秋は11月の年2回開催しているもので、益子市の中でも一番大きい?イベントですね。GWは数日開催で40万人ほどの人出になるそうです。小さな町が観光客で溢れかえります。
このイベント若い人にも大変人気があって、陶器だけでなく、おしゃれな小物だとかアクセサリーだとか、インスタ映えするドリンクとかフードの出店もたくさんあって、歩いてみると周りの人は若い人だらけです。

コロナ明けてから、この手のイベントの混み方が尋常じゃないですよね。ものすごく混む。特にこういった安近短ぽい地方のイベントに人が殺到するところがありますよね。この益子陶器市も大変混み合ってました。

客層的には20代から50代60代くらいまでの女性客が中心かなと。高齢寄りの方はご夫婦で来てる感じでした。皆さんかわいい陶器を見て買い物したり、何かおしゃれなインスタ映えするドリンクを手に食べ歩きしたり。そういう感じで楽しまれてるみたいでした。

街としては年に2回の稼ぎ時で、商店街のお店も総出で何かしら店頭で売ったりとか、街を上げて盛り上げているみたいな感じなんですよね。

朝に着いて、死ぬほどたくさんある陶器を見て、どれにしようか迷いながら買い物を楽しみます。

イベント混雑により流行ってない店がありがたい

そんなこんなで、ふとに気付くわけです。
トイレがどこもかしこも大渋滞(笑)。

町のキャパシティを超えるぐらいの人が来るわけですから、トイレにすごい行列ができるわけで。これは困りますね。
街中を陶器見ながら歩き回っているので、足も疲れるし。トイレ行きたくなった時に待たされたらどうしようとか思うわけです。

そんなわけで、早々に昼ごはん食べてしまおうと、街の中心にある何の変哲もない洋食店に入ります。道行く人はたくさんいるのに、なぜかそのお店はあまり混んでいないわけです。ぜんぜん並ばずに入れました。

で、頼んだ料理をひとくち食べて、すぐ察しました。

あんまり美味しくない(笑)。

味が家庭的で素朴なミートボールパスタで、ケーキセットとかいろいろ付けて1880円。
この味で2,000円弱か……、と一瞬思ったのですが、でもよくよく考えると、これは有りなのでは? と思い直しました。

並ばずにサクッとランチしたい。ついでにトイレも借りたい。ゆっくり休みたい、と思ったわたしにとって、料理の味はともかく、サッと入れるお店はすごくありがたい。
ニーズがマッチしているわけです。

このことで気が付いたのは、住み分け、ですね。

美味しくてインスタ映えするお店は、並んででも食べたいお客さんを捕まえればいいんです。そうじゃないお店は、そういうニーズを持たない人─並びたくない・料理の味にはこだわらないお客の受け皿になるのではと思うのです。

1,880円はそこそこ高いなと思いましたが、ゆっくり出来たし、大満足です。
あまり美味しくないと言ってすみませんでした(笑)。でもだからこそ、住み分けできてるわけで。美味しくないのも戦略のひとつだなと思ったわけでした。

こんな風に窯も再現されていて、陶器を買う以外にも見どころがあります。

そして、本題。

和菓子屋がほぼ一軒になってしまっている件

ふらふらと見て回っていて気が付いたんです。
食べ物、フードはたくさん売っているのですが、お土産になるような食べ物……いわゆる和菓子系のものがほとんど売ってないんですよ。
みんな、その場で消費してもらおう系のフードです。やきとりにビール、大きな串焼き、ケバブ、インスタ映えするアイスクリームシェイク、なんとかポテトなどなど…。

イベントにくる若い女性が消費するものを売ろうとした結果、昔ながらの和菓子店が無くなっちゃったのかな、と思いました。

もしかしたら昔から和菓子店少なかったのかもしれないんですが、とにかく今はほぼ一軒しかありませんでした。確かに考えてみると、若い女の子、和菓子をお土産に買って帰って会社に配るとかそういう文化があまり無いのかも。
これだけの規模のイベントなのに、持って帰る系の土産がほとんど売っていないというのが、おばさん的には驚きでした(笑)。

だから、一軒しかない持って帰れる和菓子のお店は、昼過ぎから大混雑でした。ひとつしかないから集中しちゃうんですね。

なるほど~と思いましたね。

イベントに街を特化させるとこうなるんだって思いました。
マップで見るとどうやらあと2軒ほど菓子店はあるようなんですけど、片方は営業しているのかどうか分からない感じで、もう片方は洋菓子屋で、いわゆる街のケーキ屋さんでしたね。持って帰る感じじゃなかったです。

進化系の街のすがたのひとつ

ずっと20年以上、商店街振興をしてきているのですが、
こうして地方のイベントとかに来てみると、すごく未来を見ている感じがします。

今回は、街を挙げてのイベントに各店がマッチするように動いた結果、観光地なのにお土産屋さんがほぼ無いということになるのだな、とか。
いろいろ気が付くところがありました。面白いですね。

和菓子店が無いなら近隣からブース出店してもらえば、40万人に売り込めるのにと思ったんですけど。そうすると残ってる和菓子屋さんからクレームが出るのかも? しれないですね(笑)。
であれば、益子市として、市の物産を集めましたみたいなブースを出してみてもいいんじゃないすかね。陶器以外もついでに売っていく感じでプロモーションかければ、わりといい線いくのではないかしらと…。

戦利品の陶器を見ながらそんなことを思いました。おしまい。

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かながわの商店街に関係するお仕事を20年やってきました。最近はきき酒師の資格を取り、日本酒ばかり飲んでいます。文章書いたりするのが得意ですが、最近は動画撮る方が楽しいです。