なぜワインはマリアージュで、日本酒がペアリングなのか、今から説明します。

本日はちょっと軽い話題を。
飲食系の雑誌とかWEBを見ていると、日本酒と料理の組み合わせを楽しむことを「マリアージュ」とか「ペアリング」とかいう言い方で紹介しています。
マリアージュは「結婚」という意味で、ペアリングは「カップルにする」というような意味でしょうか。

きき酒師であるわたしからすると、
ワインはマリアージュ、日本酒はペアリングという言い方を使った方が、より正確な表現だと思っています。

でも、パッと聞いて「何が違うの?」と思われますよね(笑)?
そう感じられるのが普通だと思います。
今日は、その似ているようで違うところの何がどう違うのかの話をします。

ワインは1+1=3になることがある

辞書によると……

マリアージュ【(フランス)mariage】
1 結婚。婚姻。婚礼。
2 飲み物と料理の組み合わせが良いこと。特に、ワインと料理の組み合わせについていう。

goo辞書

pairing

pairの現在分詞。(同種の二つ(と考えられるもの)から成る)一対、 ひと組

Weblio 辞書

ということで、結婚か、ひと組かということです。

ワインの世界では、元々は「新しい風味の生じる組み合わせ」のことをマリアージュと言っていたそうです。(今はそれほど厳密ではないようです)
酒Aと料理Bの組み合わせにより、口の中で思いも寄らなかった結果Cが生まれる、というようなことですね。

ワインでは確かにそういうことがあります。
コンビニで買ってきた安ワインでも「んっ? なんかこれすごく砂肝に合う!」みたいなことありますよね。妙にしっくりきたり、新しい風味がすると感じられる瞬間が。
1+1が3になったみたいな感覚です。

だから、結婚=マリアージュなんですね。新しい風味=子供が生まれる(笑)。

ワインは相性が合う範囲が、比較的狭いと言われているので、マリアージュという表現がしっくりくる時があるのです。

日本酒はそもそも合わせられる範囲が広い

そしてペアリングは「一対」。AとBは有りで、AとCも有りだよね、というような、マリアージュよりももっと、ゆるい一対一の組み合わせを指しているようです。

それはつまり、日本酒がそもそも、合わせられる範囲が広いということに由来します。別に酒Aの時は料理Bでなくてはダメということがなく。料理Bもいいけど、ほかに料理Cとか料理Dもいいよね、となるのです。

日本酒のアドバンテージは、魚介類特有の生臭みを抑える効果があることですね。余談ですが、魚介類には白ワインと聞いて、一緒に飲んでみたらひどい組み合わせだった、ってことあると思います。わたしはあります。
それはワインが合わせられる幅が狭いことに由来します。でも、たいていの日本酒は魚介類ぜんぜん大丈夫です。原料に麹を使用しているので、料理の生臭みを抑え、かつ素材の旨味などを引き出す効果が高いから、とされています。

異性の好みに例えたら、ワインはパートナーをえり好みする代わりに、すごく相性のいい組み合わせが稀れに存在したりする感じ。日本酒は許容範囲が広くてわりとどんな方とでもパートナーになれる、そんなイメージではないでしょうか。

日本酒、ほんとうに大抵の食べ物にマッチするすごい奴です。

発酵食品やスパイス類の強い食品もいけますので、カレーとかと試してみても美味しいですよ。
……なので、日本酒のペアリングはわりと簡単というかいろいろ試せるのです。

と、いうお話でした。

下記は、きき酒師の試験で使うテキストです。
通説ではなく、きちんとした知識が掲載されているので、オススメです。

新訂 日本酒の基 (日本語) テキスト

ABOUTこの記事をかいた人

かながわの商店街に関係するお仕事を20年やってきました。最近はきき酒師の資格を取り、日本酒ばかり飲んでいます。文章書いたりするのが得意ですが、最近は動画撮る方が楽しいです。