中伊豆ワイナリーに行ったらすごかった話

「すごかった」って、語彙力消失な感じなんですが(笑)、先日5月末に伊豆半島にあります、中伊豆ワイナリーに初めてお邪魔しまして、すごいなと思ったことがいくつかあったのです。
本日はその話をします。

ついでにワインの勉強ということで「ワインナビゲーター」という資格もいただきました(笑)。

中伊豆ワイナリーとは

修善寺にある、ワイナリーです。中伊豆ワイナリー シャトーt.sが正式名称ですね。ワインを作っている場所です。
ワイナリーと一口に言っても、都会でもあちこちにワイナリーがありまして。輸入果汁など使えば本当にどこでもワイン作れるんですよね。
例えばわたしが、よく知ってるところでいったら、追浜商店街の追浜ワイナリーとかもワイナリーです。醸造所だったら都会の中にもつくれます。(免許必要ですよ)

しかし今回訪問した、中伊豆ワイナリーシャトーは、ブドウ畑と醸造所を備える、ほんとにほんとの(?)ワイナリーです。
3万本のブドウの木から、年間14万本ほどのワインを生産しているそうです。

わたしはなぜ行ったかというと、こういう企画がありまして。
学びの遠足!in中伊豆ワイナリーヒルズ ワインの魅力をとことん楽しむワイナリーツアー

きき酒師の資格を持っているので、NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)からよくこうしたセミナーの案内をいただくのですね。現地でブドウ畑を見てワインのテイスティングもできるのはなかなか良いなと思って参加してきました。

現在は3万本のブドウの木があり、年間14万本ぐらいのワインを生産しているそうです

ワイナリーの歴史は、公式ページのこちらに記載があります。
かいつまむと、シダックスの創業者の志太勤氏が、出身地の中伊豆でワインをつくろうと1987年にブドウの試験栽培を始めたのが最初で、現在の場所に拠点を定めたのが1993年。
そこからブドウの本格的な栽培をはじめて醸造所も併設。1998年に免許を獲得して、2000年から「中伊豆ワイナリー シャトーT.S」として、オープン。その後近隣にホテルやら野球場やらをつくって、現在は広大な敷地をもつワイナリーリゾートとなっている、と、そういうことだそうです。

勉強会ということでしたので、技術者の方からいろいろお話を伺います。

ちょうど花が咲いていました。これはシャルドネの木だったかと思います。

つまり、何にもないところから始めて、30年余年。
現在は10ヘクタールある畑に、約3万本のブドウの木があって、年間14万本ぐらいのワインを生産できるようになったということです。

繰り返しになりますけども、何にもないところからブドウ畑、ですよ。
すごいことだと思います。
ワインのテイスティングの講師の方も、「これほどのワイナリーは国内になかなか無い」とおっしゃっていました。そうなんだろうなと思います。

こうした施設って日本にいくつかある

ちょっと話変わって、中伊豆ワイナリーはシダックスの創業者の志田氏が、ご自分の出身地に「地元への恩返し」ということで設立したわけなのですが、こういった場所・施設って日本にいくつかあるんですよね。最近聞いた話だと、瀬戸内トリエンナーレと福武書店の創業者福武哲彦氏の関係とか。

いわゆる成功した民間企業の創業者が地域貢献のためにあれこれと投資してつくった施設や整備していったものって、国内にけっこうあるんです。

税金対策のためにやるってのも一部あると思うんですけども(箱根の岡田美術館みたいな)
でも、ワイナリーはブドウという生き物を相手にするものなので、なんと言いますか、お金かければ済む世界じゃないんですよね。学校事業などと同じ性格だと思います。

儲からないというか、ほんとうに何年もかけて取り組まないと全く形にならないことなんですよ。
成功したとしても、すごく儲かることでもない。だから社会貢献の側面がかなり強いと思うんですよね。
本当に地域をどうにか活性化したいという心意気と覚悟がないとできないことだなあと、中伊豆ワイナリーを訪れてみて、素直に感嘆しました。
今風に言うと「尊い……」ですね(笑)。

わたしは日々、商店街の方々と関わっていることからも、みなさんの地域貢献への意識、地域愛に圧倒されることも多いので。
規模の大小あれど、中伊豆ワイナリーも根っこは同じ「地域愛」なんだな…と思いました。

個人的に面白かったポイント(摘芯、ワインナビゲーター)

あとは個人的に面白かった話をすこし。

畑を見学しまして「摘芯」という作業のことをお聞きしまして、とても興味深かったです。

摘芯というのは、ブドウの茎や枝の最上端に出る芽を摘みとる作業のことでして。植物は頂芽(茎や枝の最上端に出る芽)に優先的に栄養を送りこむ性質があるため、こいつを取り去ることで枝が横に広がり、ブドウの実がつきやすくなるということなんだそうです。

「出る杭は打たれる」なんですよ(笑)。
出る杭を取り去った方が、実入りが大きいということなんです。

でも、植物として、他者に先んじて伸びることは戦略として必要なことなんですよね。他者に先んじないと太陽の光を他に取られてしまうかもしれないから。

いやー、考えさせられます。

中伊豆ワインと料理のペアリングランチセミナー、なんてのもあり。白・ロゼ・赤の三種類とお料理を合わせるのは、なかなか楽しかったです。

わたしはワインの場合はタンニン大好き、赤が好きという派なので、赤ワインで出していただいた「伊豆シンフォニーレッド プレミアム2018」が美味しかったですね。自分用にお土産にも購入しました。
ブドウはプティ・ヴェルドーが52%、メルロー36%、カベルネ・ソーヴィニヨン12%と三種ブレンドです。ジャパン・ワイン・チャレンジ2021で銅賞を獲得したそうです。

ワイナリー、いろいろ行ってみると楽しいかもしれませんね。

日本のワイナリー、これほど各地にあるそうです。みなさんも足を運んでみては。

日本ワイナリー協会
https://www.winery.or.jp/winery-map/8960/

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かながわの商店街に関係するお仕事を20年やってきました。最近はきき酒師の資格を取り、日本酒ばかり飲んでいます。文章書いたりするのが得意ですが、最近は動画撮る方が楽しいです。