先日、2024年3月31日に、日本酒のテイスティングイベント「トークセッション「土田酒造×チーズ×肉料理の饗宴～科学的視点からメイラード系香味のペアリング体験～」が開催されまして。参加させていただきました！
すごく面白かったので、その内容を紹介します。
土田酒造の日本酒とチーズ、和牛のペアリング体験を行う
こちらは、古性が日本酒のテイスティングの勉強で通っていた「インフィニット酒スクール」のイベントでした。
土田酒造㈱の杜氏・星野元希さんをお迎えしたトークイベントと、コーヒーの専門家の藍さんのコーヒー教室と、最後に土田酒造の日本酒を合わせたチーズと和牛のペアリング体験を楽しむというもので、なんともマニアック過ぎて、他の方に価値が伝わりにくいイベントだったのです（笑）。
そしてその分、とても貴重な機会になりました。
お米の違いで味の違いが出るの？という件に真っ向に挑む
日本酒好きの間では、ちまちま「お米の違いで味の違いが出るの？」ということが議論になるのですが、土田酒造さんはそれに真っ向から挑んでおられます。
山田錦や雄町でないと出ない味があるのかどうかを、何年かかけて検証され、実際に米違いで醸造してみて実験醸造を繰り返してみて。
その一つの結論が、山田錦を使えば日本酒を作りやすいのは、もちろんその通りなのだけども。山田錦でないと出ない味があるのかと問われれば「そうでもない」ということなのだそうです。
そんな話をされていました。 面白いですよね〜！
ちなみにそんな経緯を経て、土田酒造さんでは現在全てのお酒を普通米で醸しているそうです。これは、地域の群馬の米を使って地域の農業振興も兼ねることと、酒米より圧倒的に安いのでコストがかからないという、2つの理由があるとのこと。
また余談として面白かったのが、タイ米での日本酒醸造の話。
よく南インド料理の店で出てくるバスマティライス。あれの孫品種のプリンセスサリーというインディカ米を使った日本酒も作ってみたそうです。
ご本人曰く「思っていた以上に、普通の日本酒ができる」とのこと。
プリンセスサリーはいい匂いがするお米なので、なんとかしてお米の香りや特徴をお酒に残したくていろいろ試行錯誤したそうで。絞る直前なら香りが残るんじゃないかとか、投入するタイミングを考えたりいろいろやってみたのだけど、やっぱり香りは残らなかったとのことでした。
チーズ、和牛やコーヒーでつくったソースとの相性体験
で、テイスティングのところは、具体的に書くと長くなるので割愛しますが、土田酒造さんのお酒は、やっぱりアミノ酸値が高いお酒なので、チーズと相性がバッチリなんですよね。
以下は、インフィニット酒スクールの菅田先生が作成された資料の引用です。お料理とお酒の相性を見る時のポイントですね。一番分かりやすいのは「同調」だと思うのですけども、お酒とお料理を合わせるとこんなことが起きる可能性があります。
●相性をみるポイント
・同調（風味・濃淡・テクスチャ―）
インフィニット酒スクール 当日の資料より
・リセット・ウォッシュ（酸味、苦味、炭酸、渋味が脂肪味を流す）
・どちらかの風味を引き出す（酒が美味しくなった、チーズが美味しくなった）
・マリアージュ・味の完成（香りや味の補完・相乗によって新しい風味が生まれた）
ただ、過去にお酒と料理のペアリングについてコラムを書きましたが、本質的には味わうことは各人の自由なんですよね。今回もまわりの方の感想をちょっと見させてもらうと、似てたり違ったりバラバラで。「わー、やっぱり違いますね」などど楽しませていただきました。
お酒の方は、こうやって5本比べて飲むと「Tsuchida99」が印象深かったです。
麹歩合が99%で、種麹を通常の2倍使うそうで、日本酒度-48、アミノ酸度3.6、酸度4.4て、すごい数値（笑）なんですけど、なんか味わいがあって美味しいんですよね。
大変おいしゅうございました！
そんなわけで美味しくて、未来を感じさせる楽しい体験でした！
土田酒造の星野さんも「こんなマニアックな話をしても、話が通じる会があるとはビックリしました」みたいなことをおっしゃっていて、面白かったてす。何しろインフィニット酒スクールの面々は、菅田先生に鍛えられてますからね（笑）
ご馳走様でした、そして、菅田先生ほか皆様、お疲れ様でした〜！
