日本酒にあまりご興味がない方も、うっすらご存じかもしれませんが、
最近は洒落た日本酒がたくさんあります。
イラスト入りや、英語のラベルなど見た目のデザインのオシャレさもそうだし。味も香りも、洋酒かと間違えるぐらいオシャレなものがたくさんあります。
はい。これ全部日本酒です。
最近はとくに日本酒造りの技術が進化していまして。ラベルや見た目だけではなくて、香りや味わいもモダンなものが増えています。
こういうイラスト入りや英語ラベルの日本酒を頼むと、ワイングラスで提供されたりもしますね。
日本酒があまりお好きでない方も、過去に悪酔いしたなどの経験から日本酒を敬遠されていた方も。
こうしたモダンな日本酒を一度お試しいただきたいです。
えっ? これが日本酒?
白ワインみたい…。
……と思われるんじゃないかと思います。
ただ、また次も華やかでモダンな日本酒を飲みたいなと思った時に。
なんて頼めばいいのでしょう?
「白ワインみたいなやつください」
……って言ってもいいものなんでしょうか?
今日はそのあたりのお話をします。
飲食店で「白ワインみたいな日本酒ください」は、よろしくない
Twitterで以前そんな話題を見かけたので、紹介してみました。
わたしは個人的には「ワインみたいな」という描写は有りだとは思っています。ただそれをそのまま言ってしまうと、ムッとする店員さんもいるでしょうし。何より、こちらの考えが伝わらないと思うんですね。
ワインみたいな、というと、ワインのどこの何をもってそう言うの? 甘味? 香り? みたいな話になってきますし。要するに正確性を欠いてしまうかなと。
ポイントを絞り込まないといけません。
そう考えると……、やはり、今、モダンな日本酒とワインの共通性はと言うと、
酸味、なんですね。
昔はNGだった酸味が、今は許容されている
端的に言ってしまうと、
冒頭に写真を挙げたようなモダンな日本酒は、酸味をきちんと表現しているのですよ。だから、食中酒としての出番が「白ワイン」と近くなる。
昔ながらの日本酒で、酸味を感じることはおそらく少ないと思います。以前の日本酒の世界では、酸味がNGだったからです。酸味が出ると、失敗とまで認識されていたようです。
和食と合わせるのに、お酒の酸味はそれほど重要じゃないからですね。
それよりも、お味噌とかの重厚な味を同調させるための「コク」とか厚みが重要視されたはずです。
でも、今の日本人は普通に洋食を食べますし、洋食には酸味のあるお酒が合います。だからモダンな日本酒が増えてきて、きちんと酸味を表現するようになったのです。
余談ですが、先日の記事でも少し書きましたが、
ワインは合わせられる料理の幅が狭いですが、日本酒は幅が広いです。口に入れた料理の味をリセットする効果もありますので、魚介類もバッチリです。
これに酸味が加わったら、世界を席巻できるお酒になります。
今はあまり注目されていませんが、SAKEはたぶん世界中で愛される酒になります。
じゃあ「白ワインみたいな」日本酒が飲みたい時はどうしたら?
こちらは、長野の小布施ワイナリーで醸造されている日本酒「ソガ・ペール・エ・フィス」です。
ワイン蔵が、趣味の範囲(?)でつくっているとされている日本酒です。
何度も言いますが、こんなラベルですけど日本酒です。
もし、こちらを置いている飲食店でしたら「白ワインみたいな日本酒を~」と言ったら「これのことかな?」と勧めてくださるんじゃないかとは思います。
でもこのお酒はどこでも飲めるものではありませんし…。(生産数が少ないのです)
だから、やっぱり「酸味」に言及するといいと思います。
「酸味のあるモダンな(華やかな感じの)お酒ください」が、白ワイン風の日本酒を注文するのにいい言葉だと思います。
さらに正確性を追求するなら「アルコール度数が低いもの」と付け加えてください。
上記の「ソガ・ペール・エ・フィス」は、アルコール度は普通(16度)なのですが、もっと白ワイン風を追求するなら口当たりも滑らかで飲み口スッキリな方がいいと思うので。13度とか、場合によっては7度ぐらいのものもあります。
というわけで、結論
白ワインみたいな日本酒を飲みたい時は、店員さんに
「酸味があって華やかな感じのものが飲みたい」
と、注文するとよいです。
たまに「??」という顔をされるかもしれません。そうしたら、そのお店はそこまで日本酒に詳しくない、またはそこまで揃えていないということです。
注文したあなたは悪くありませんので、恥ずかしがる必要はありません(笑)。ただ、仕方ないなあとあきらめましょう。
その場合は、純米吟醸や純米大吟醸と書いてあるものを選びましょう。華やかな香りを楽しめると思います。